リースとレンタルの違いは?メリット・デメリットや法律・会計処理についても解説します
デスクや複合機といったOA機器から、パソコンや自動車といった一般消費者が利用する物まで、今では様々な商品を買わなくてもレンタルやリースで利用することができます。
このリースとレンタルという仕組みですが、実際にどのような違いがあるのかご存知でしょうか?
このページでは、リースとレンタルの違いを比較しながら、よくあるパターンでどちらがお得なのかを比べて、メリット・デメリットについても考えてみたいと思います。
リースとレンタルの違いとは?
レンタルは法律上の典型的な賃貸借契約となりますが、リースは賃貸借なものの金融取引に近く、一般的には物融とも呼ばれています。
リースが長期間での契約となるのに対し、レンタルは比較的短期間の契約となることが多いほか、中途解約や保守義務においても違いが生じます。
まずリース契約の特徴について以下に記載してみます。
リースでモノを借りる場合
- 対象商品はリース会社予め用意したリストから選べる
- リース期間は年単位など比較的長期間となる
- 一般的に中途解約は不可能
- 物件の保守や修繕義務は一般的に利用者側の管理となる
次に、レンタルの特徴についても見て見ましょう。
レンタルでモノを借りる場合
- 汎用性が高い商品を予めレンタル会社が在庫として用意している
- 短期間から長期間まで選べるが、一般的には短期のレンタルが主体となる
- 一般的に中途解約は可能
- 一般的に保守や修繕はレンタル会社の管理となる
リースとレンタルの比較表
リースとレンタルは、表面上はどちらも物の貸出となりますが、契約や物の管理義務などにおいて大きな違いがあります。
以下に比較表を用意して比べてみました。
リース | レンタル | |
---|---|---|
対象となる物件 | リース会社が独自に定めたリース適格物件 | レンタル会社が在庫として抱えている汎用的な物件 |
物件の選び方 | リース会社の用意する物件から自由に選べる | レンタル会社の抱える在庫の中から自由に選べる |
契約期間 | 一般的に2年~10年 | 1時間単位・1日単位の短期間から1年単位の長期間まで、レンタル会社のメニューによる |
所有権 | リース会社※買取オプションなどもある | レンタル会社 |
管理責任 | 一般的に利用者が保守・修繕を行う。※メンテナンスを含むリースプランもある | 一般的にレンタル会社だが、利用者に過失がある場合は利用者となる場合もある |
中途解約 | 不可能※解約違約金が発生 | 可能※早期の場合は別途費用が発生する場合がある |
料金 | 月額からとなる場合が多く、レンタルに比べて割安となるケースがほとんど | 時間単位や日単位からが多く、月額となるとリースより割高となることが多い |
総支払額 | リース料金の他、金利や手数料が発生するため、期間によってレンタルよりも割高となる | リースと比べ金利や手数料がないほか、短期の場合は割安で借りることが可能 |
法律上の違い
リースは賃貸借契約という法律上の体裁はとられていますが、前述のとおり物融と呼ばれる金融取引に近いものとなります。
また、ノンキャンセラブルと呼ばれる中途解約ができないという一面があります。仮に中途解約となる場合でも残りのリース料金をすべて支払うフルペイアウトと呼ばれる仕組みがあります。
レンタルは典型な賃貸借契約で、貸出期間も短く料金も安く済むことから上記のようなトラブルが起きにくいという特徴があります。
法律上では同じ賃貸借契約の分類となりますが、仕組みや料金については全く異なるものなのです。
会計処理上の違い
レンタルは、所有権を持っていないことから固定資産として計上する必要がありません。そのため月々の支払を経費として処理(オフバランス処理)することができます。また、維持費や税金も含まれたリース料金となっているので、別途会計処理をしなくて良いのです。
リース契約もほぼ同様ですが、契約単位ごとに重要性の判断を行い会計処理の方法を決める必要があります。大半の場合は経費として計上できます。
リースとレンタルのメリット・デメリットを把握しよう
リース | レンタル | |
---|---|---|
メリット | ほぼ経費として計上できる。維持費や管理費用がかからない。1年・2年の利用なら購入よりも安く済むケースが多い。 | 経費として計上できる。維持費や管理費用がかからない。契約期間が短いと安く済む。 |
デメリット | 中途解約ができず、仮に可能でも多額の費用がかかる。経費計上できないケースもある。 | 長期の利用だと非常に割高となる。 |
まとめ
レンタルとリースの違いをまとめてみましたが、どちらがお得なになるかは対象の物と期間によって大きく変わってきます。
利用するケースに応じて、しっかりと比較し最適な判断をすることを心がけるようにしましょうね。